大切な愛犬が亡くなったら|後悔のない火葬・葬儀のためにするべきこと
大切な家族の一員であるわんちゃんが亡くなってしまった飼い主さまへ、心からお悔やみ申し上げます。
「人間と同じようにしっかり葬儀をしてあげたい。」
「でもすぐに火葬するのは寂しいし、できるだけ長く一緒にいてあげたいな…。」
このように考えてしまい、まずは何からはじめるべきなのかわからないという方もいらっしゃいますよね。
愛犬が亡くなってから必須の手続きが完了するまでは、大きく次のような流れで進みます。
- ご遺体の安置をする
- 火葬・葬儀を執り行う
- 役所に死亡届を提出する(亡くなってから30日以内)
まずはご遺体の安置を行いましょう。
正しい安置を施せば夏は2日ほど、冬は3日ほどご遺体をきれいな姿のまま保存できますよ。
詳しい安置の手順は、本文中でご説明いたしますね。
ただしあまりにも時間が経つとご遺体の腐敗が進んでしまうため、火葬は亡くなってから3日以内に執り行われることがほとんどです。
私個人としましては、少なくとも1日はペットちゃんとご一緒に過ごしていただき、感謝の気持ちをお伝えする時間を十分にとっていただければと考えております。
記事の後半ではペット火葬の依頼先や、具体的な葬儀プランの内容についてもご紹介いたします。
後悔のないお見送りをするにはどうするべきか考えるためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
愛犬が亡くなったら:4つの手順でご遺体の安置を
まずはじめに、安置の手順についてご説明いたします。
安置は、ご遺体を生前の可愛らしい姿のままできるだけ長く保つためにも、非常に重要な作業なんですよ。
正しく安置を行うために、次の6つを準備しましょう。
- ペット用の棺、もしくは段ボールなどの丈夫な箱
- ペットシーツ、新聞紙
- タオルやガーゼ
- コットンや脱脂綿
- 保冷剤
- バスタオル
傷みやすいお腹や頭を中心にしっかりと冷やすことで、2〜3日ほどは保存ができます。
ドライアイスを用いても問題ありませんが、素手で扱うとケガの危険があったりご遺体が凍結してしまう可能性もあるため、使用する際は十分に注意しましょう。
準備が整い次第、以下の手順で安置を行いましょう。
①死後硬直の前に手足をたたむ
犬の場合、亡くなってから2時間ほどで手足から腹部、頭部といった順番で死後硬直がはじまります。
ペットシーツ(または新聞紙)の上にご遺体をのせ、硬直がはじまる前に手足を胸のほうへ優しく折りたたんであげましょう。
手足が伸びきった状態だと、火葬炉に入りきらないことがあるんです。
すでに硬直してしまった場合、決して無理に動かそうとしてはいけません。
硬直は時間が経つと解けるため、その後に折りたたんでくださいね。
また目が開いたままの状態のときは、優しく手でまぶたを閉じてあげます。
舌が出てしまっているときも口の中に戻し、どうしても閉じない場合は布などを巻いて固定してあげましょう。
動物が亡くなったとき、死後硬直が発生することや目などが開いたまま亡くなってしまうのは自然な現象ですので、ご安心くださいね。
②体をタオルで拭き、きれいにする
お湯で濡らした後に固く絞ったタオルやガーゼで体全体を拭き、ブラシで毛並みをきれいに整えてあげましょう。
とくに屋外で飼われていた場合は体に腐敗の原因となる汚れや雑菌が付着している可能性があるため、念入りに拭いてください。
まれにご遺体から体液や排泄物が出てくることがありますが、亡くなった動物に起こる自然な現象です。
体液の分泌は時間とともに落ち着いていくため、慌てずにコットンなどで拭いてあげましょう。
量が多い場合はコットンを詰め、都度交換してあげてくださいね。
③ご遺体を棺(箱)に納め、保冷剤で冷やす
棺にはあらかじめペットシーツや新聞紙を敷き詰めておき、体液が染み出さないようにします。
その上にご遺体を納め、腐敗が進みやすい頭や首回り、お腹のあたりを中心に保冷剤を当てて冷やしましょう。
生前愛用していたバスタオルやタオルケットで保冷剤ごとご遺体を包んであげると、より高い保冷効果が期待できますよ。
保冷剤の結露がご遺体に付着すると腐敗の原因となってしまうため、ガーゼやタオルで包んだ保冷剤を使用してくださいね。
溶けた保冷剤は、定期的に新しいものに交換しましょう。
④お花やおやつ、おもちゃをお供えする
腐敗の進行を防ぐためにも、ご遺体を納めた棺は直射日光の当たらない涼しい場所に置きます。
とくに夏場は肌寒いと感じる程度の室温を心がけ、エアコンを使用する際はご遺体に直接風が当たらないようご注意くださいね。
最後に、ご遺体のまわりにお花やお気に入りのおやつ、おもちゃなどをお供えしてあげましょう。
今までの思い出や感謝の言葉を、たくさん伝えてあげてくださいね。
このとき、お見送りの際にご遺体と一緒に火葬してあげたいものを用意しておくといいでしょう。
ペット火葬では、以下のものであれば棺の中に入れてあげることができますよ。
- 生花
- お手紙
- おやつ
お洋服やリード、ゴム製のおもちゃなどはお骨同士がくっついてしまう可能性があるため、一緒に火葬できないんです。
生花も色味が濃いものはお骨に色がうつってしまうため、なるべく色味の薄いものを選びましょう。
「希望」の花言葉があるガーベラ、「思いやり」の花言葉があるチューリップなどがオススメですよ。
「これって一緒に火葬できるのかな?」と疑問に感じるものがありましたら、お気軽に私たちにご相談くださいね。
ペット葬儀に関する豊富な知識と経験をもったスタッフがご対応いたします。
ここまで安置の手順をお伝えしてきましたが、作業の中で愛犬の死を強く実感してしまい、なかなか火葬に踏み切れなくなったという飼い主さまもいらっしゃるかもしれません。
ですがペットちゃんが可愛らしい姿のまま安心して天国へと旅立てるよう、どのようなお見送りにしたいか考えてみましょう。
このあとはペット火葬の基本情報をご説明いたしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
愛犬の火葬・葬儀の形式について考える
ペット火葬は人間の火葬と比べて大きな違いがなく、ご遺体を火葬したのちにお骨拾いを行い、供養を行うのが一般的です。
ただしペット火葬ならではの特徴として、葬儀プランに応じて火葬方法や返骨の有無などが異なるというものがあります。
そのため、「お骨拾いまで立ち会うことができなかった…。」「お骨を手元に置いておきたかったのに、返骨がないプランだった…。」などと後悔の残る最後になってしまう飼い主さまも少なくありません。
この後ご紹介するペット火葬の基本的な情報をもとに、ぜひ納得のできる葬儀プランをお考えくださいね。
火葬は「ペット火葬業者」か「役所(保健所)」に依頼する
ペットちゃんをお見送りする心の準備が整いましたら、まずはどこに火葬を依頼するべきかについて考えましょう。
ペット火葬は「民間のペット火葬業者」か「役所(保健所)」のどちらかに依頼するのが一般的です。
民間のペット火葬業者に依頼した場合、さまざまな火葬方法から飼い主さまの希望に沿ったものを選ぶことができます。
人間と同様の丁寧なお見送りをしたいという飼い主さまは、民間のペット火葬業者に依頼することがおすすめですよ。
一方、役所に火葬を依頼をした場合、ご遺体は焼却処分という扱いになってしまうんです。
ゴミ処理場などで処理され、返骨もされないことがほとんどです。
利用料金は1万円前後と安価で済むため、費用をなるべくおさえたいという方は役所への依頼をご検討してもいいかもしれませんね。
(参考:春日井市_ペット(動物)の死体処理)
火葬の方法は大きく4種類
先ほど、民間のペット火葬業者ではさまざまある火葬方法から希望に沿ったものを選べるとお伝えしました。
ここからは、実際のペット火葬の方法4種類についてご説明していきます。
まずはそれぞれの特徴についてまとめた表を見てみましょう。
ただし火葬業者や葬儀プランによって内容は異なるため、ひとつのご参考にしてみてくださいね。
(火葬方法をタップすると、ページ下部の詳しい説明へと移動します。)
合同火葬 | 個別火葬 | 立会い 個別火葬 |
訪問火葬 | |
---|---|---|---|---|
火葬の形式 | 他のペットと合同で火葬 | 個別に 火葬 |
個別に 火葬 |
合同・個別どちらも対応 |
お骨拾いの立会い | なし | なし | あり | あり |
お骨の扱い | 納骨 | 納骨・返骨どちらも対応 | 納骨・返骨どちらも対応 | 納骨・返骨どちらも対応 |
主な 依頼先 |
ペット 霊園 |
ペット 霊園 |
ペット 霊園 |
訪問火葬業者 |
火葬の料金相場はおよそ1万円〜6万円ほどで、ペットちゃんの体重が重くなるほど金額が上がり、依頼する火葬方法によっても価格が変化します。
合同火葬<個別火葬<立会い個別火葬のように、サービス内容が手厚くなるほど費用が高くなるんですよ。
訪問火葬も同様に個別火葬、とくに立会い個別火葬のほうが高くなってしまいます。
どのように火葬してあげるべきなのか、正解はございません。
そのため、飼い主さまのお気持ちを第一にお考えくださいね。
それぞれの火葬方法の特徴についてさらに詳しくご紹介いたしますので、後悔のない選択をするためにもぜひご確認ください。
合同火葬
- 火葬方法:他のペットちゃんと合同で火葬
- お骨拾いの立会い:なし
- お骨の扱い:納骨
合同火葬とは、他のペットちゃん数匹と合同で火葬する方法です。
ご遺体を火葬業者の方にお渡しした時点でお別れになってしまい、火葬やお骨拾いに立ち会うことはできません。
火葬後の返骨もなく、お骨は共同墓地などで合同供養されます。
「天国で寂しくないように、他のペットちゃんと一緒に供養してあげたい」という飼い主さまにはおすすめの火葬方法ですよ。
個別火葬
- 火葬方法:個別に火葬
- お骨拾いの立会い:なし
- お骨の扱い:納骨・返骨どちらも対応
個別火葬は合同火葬と違い、あなたのペットちゃんを個別で火葬する方法です。
ただしご遺体をお渡しした後の立会いはできず、お骨拾いなどは業者の方におまかせする形となります。
希望すればお骨を受け取ることはできますが、業者の提携寺院などに納骨を依頼することもできるなど、申し込むプランによって対応はさまざまです。
「返骨してほしいけど、お骨拾いに立ち会うのは辛い…。」という飼い主さまに選ばれている火葬方法ですよ。
立会い個別火葬
- 火葬方法:個別に火葬
- お骨拾いの立会い:あり
- お骨の扱い:納骨・返骨どちらも対応
立会い個別火葬は、お焼香などの葬儀やお骨拾いにご家族が立ち会うことができる火葬方法です。
個別火葬と同様、納骨・返骨どちらにも対応してくれますよ。
費用はかかりますが、人間のお葬式と同じような流れでのお見送りができます。
「最後のお骨拾いまでお世話をしてあげたい」という飼い主さまには、ぜひお選びいただきたい火葬方法です。
訪問火葬
- 火葬方法:合同・個別どちらも対応
- お骨拾いの立会い:あり
- お骨の扱い:納骨・返骨どちらも対応
訪問火葬とはペット専用の火葬炉を搭載した火葬車でお伺いし、ご自宅やお散歩コースなどの思い出の場所で火葬を執り行う方法です。(※ペットちゃんの体重に制限があることが多いです)
火葬車の見た目は一般的な軽自動車と変わらず、火葬中の煙やニオイが少ないように配慮された構造をしています。
まれに合同火葬を執り行う業者もありますが、基本的には個別火葬もしくは立会い個別火葬の形式で、丁寧に火葬してくれることがほとんどです。
お骨は納骨と返骨どちらにも対応しており、プランによってはご自宅にてお焼香やお別れのセレモニーにもご出席いただけます。
私たち「天国へのかけ橋」も、この訪問火葬を専門に行う火葬業者です。
「たくさんの時間を一緒に過ごした場所で、ゆっくりお見送りしてあげたい」という方に向けて、この後は私たちがご提供する3つの葬儀プランについてご紹介いたしますね。
愛犬の遺体を土葬してあげたいのですが、可能ですか?
私有地であれば土葬できますが、土に還るまで時間がかかってしまうためおすすめできません。
自宅の庭など、私有地での土葬に問題はございません。
しかし、公園など公共の場所での土葬は禁止されています。
また私有地での土葬であっても、害虫による被害や腐敗臭などが原因で近隣トラブルが発生する可能性があります。
とくに大型犬の場合は土に還るまで数十年ほどかかるとされているため、その間は十分な配慮が必要になるんです。
周囲の家と大きく距離が離れている場合であれば土葬の選択肢もありますが、やはり土葬ではなく火葬していただくことをおすすめいたします。
[+] もっと詳しく
訪問火葬業者「天国へのかけ橋」では、感謝が伝わるお見送りをお手伝いいたします
私たち「天国へのかけ橋」には、ペット葬儀のプロフェッショナルである動物葬祭ディレクターが在籍しております。
できるだけ飼い主さまのご要望に沿えるよう、手厚いお見送りをお手伝いいたしますのでご安心くださいね。
葬儀プランは、次の3種類をご用意しています。
(プラン名をタップすると、詳しい内容をご紹介したページに移動します。)
それぞれのプランの料金を、ペットちゃんの体重別にまとめた表がこちらになります。
ペットちゃんの大きさ | 寺院おひきとり葬 | ご家族個別立会い葬 | ご家族プレミアム葬 | ||
---|---|---|---|---|---|
家族がお骨拾い | スタッフがお骨拾い | ||||
500g以下 | ハムスター、ハリネズミなど | 8,250円 | 17,600円 | 15,400円 | 29,700円 |
1kg以下 | フェレット、モルモットなど | 13,200円 | 17,600円 | 15,400円 | 29,700円 |
3kg以下 | チワワ、猫、ウサギなど | 15,400円 | 19,800円 | 17,600円 | 31,900円 |
6kg以下 | ダックス、トイプードル、ボメラニアン、シーズー、バグなど | 17,600円 | 24,200円 | 22,000円 | 36,300円 |
9kg以下 | 22,000円 | 27,500円 | 24,200円 | 39,600円 | |
12kg以下 | 柴犬、コーギー、ビーグルなど | 25,300円 | 30,800円 | 27,500円 | 42,900円 |
15kg以下 | 28,600円 | 34,100円 | 30,800円 | 46,200円 | |
18kg以下 | シュナウザー、ボーダーコリーなど | 30,800円 | 38,500円 | 34,100円 | 50,600円 |
21kg以下 | 33,000円 | 41,800円 | 38,500円 | 53,900円 |
※21.1kgを超える場合は受付が難しいため、ご了承ください。
※無料出張エリアを超える場合、出張費がかかる場合がございます。詳しくはお電話にてご案内させていただきます。
ご希望の方にはお骨を納めて保管できる遺骨カプセルなどのメモリアルグッズや、ご位牌などの仏具もご準備できますよ。
葬儀プランについてはもちろん、メモリアルグッズのご相談も無料のお電話にて受け付けております。
どうぞお気軽にご連絡くださいね。
犬の場合、火葬のあとは死亡届を忘れずに
最後に、犬が亡くなった際に提出が必要な3つの届出についてご説明いたします。
- 死亡届
- 犬鑑札(飼い犬登録をした際に公布されたプレート)
- 狂犬病予防注射済票
これらを亡くなってから30日以内に、登録した保健所や役所に提出しましょう。
役所のサイト上から、オンラインでの提出ができるケースもありますよ。
(参考:新潟市_犬の死亡届)
自治体によって異なりますが、死亡届には次の項目を記入するのが一般的です。
- 飼い主さまの氏名、住所、電話番号
- 犬の種類、性別、お名前、生年月日
- 死亡年月日
- 鑑札に記載された登録番号
また、犬鑑札や狂犬病予防注射済票は思い出の品として、返却せずに保管しておくことも可能です。
紛失してしまった場合の再発行もできますので、役所の窓口やお電話にて相談してみましょう。
さいごに:ペットロスとの向き合い方
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
あらためて、愛犬が亡くなったときにおさえていただきたいポイントをお伝えいたしますね。
- 犬が亡くなったときはまず安置を行い、ご遺体を保存する
- 亡くなってから3日以内を目安に火葬する
- 火葬方法に正解はないため、飼い主さまのお気持ちを第一に考える
- 死亡届・犬鑑札・狂犬病予防注射済票を忘れずに提出する
ペットちゃんが安心して天国へと旅立てるように、少しずつあなたらしいお見送りについて考えてみてくださいね。
しかし飼い主さまの中には悲しみから夜眠れなくなってしまったり、食欲がなくなってしまったりと、ペットロスの症状に悩まされている方もいらっしゃるかもしれません。
ペットロスは誰でもなりうる症状です。
あなたにとって、それだけペットちゃんは大切な存在だったということの表れでもあります。
ペットロスは時間が経つにつれて徐々に解決していくこともあれば、ペット火葬を執り行い、供養をしっかり行うことで気持ちの整理がついたという方もいらっしゃいます。
決して一人で抱え込まず、お困りのことはお気軽にご相談くださいね。
ここまでは、「天国へのかけ橋」スタッフの石井がお伝えしました。
あなたが後悔のないお見送りができますよう、心からお祈りいたします。
この記事を書いたペット葬儀の専門家
石井静香(いしいしずか)
更新
ペット火葬は料金やサービス内容が異なるさまざまな形式があります。「費用をおさえた火葬でもいいのかな」「お骨拾いは飼い主がしてあげるべきなのかな」などと不安になってしまうかもしれませんが、大切なわんちゃんを思うお気持ちがあれば、後悔のないお見送りができるはずですよ。